ベクテルの野望…!!


「それにしてもメチャクチャだよ!!
何で水を買い占めるのさ!?」

「…儲かるからだろ?」

「そんなバカな…!!」

「俺のオヤジも困っているんだがよ〜!!
最近、水公爵の片棒を担ぐ油売りがよ〜っ!!」


あ、あぶらうり…?
ま、マムシ???


「ええ…その油売りの
ベクテルという男が現れて以来、
水公爵たちはさらに水を買い占め出して…!!」

「ああ…以来、俺たちの故郷も、水がなくて
朽ち果てるやつらがごろごろ出てきている…」


…!!


-ぶわんっ!!-


「…誰にも水を盗む権利なんて、ないよ!!」

「じっぺいさん…」

「なんなのさ!!お金って!?人を祝ったり、
困っている人を助けるもんじゃないの!?
おかしいよ!そんなのって!!」

「…銀の匙を咥えてきた連中に、
下々の苦しみがわかるかってんだよ…!」

「マサル…」

「…」


森だけじゃなかったんだ…

水も、人の心も、
守らなけりゃならないんだ…


「…彼らが匙を咥えてようとも、
私たちに匙を投げることは許されませんよ!」

「う、上手いこと言うねぇ〜!アヒルどの!!」

「いやぁ〜っ♪ハハハ♪」

「おう、こいつは参った〜!」

「ついでに指を咥えて見てるわけにもな…!!」

-ガサッ!-

-ひゅわ!-

「…ま、マサル???」

「な…なんだ?」

「マサルさん…!?」

「ど、どうしちまったんだ〜!?コラ〜!!」

「…て、てめえら…!」


なんてこった…!!

マサルが、あのマサルが駄洒落を!!



水公爵の陰謀…!!


「それにしてもさ、
何でこっちの世界はこんなに水不足なの…?」

-ズズッ-

「…美味しいなぁ、この焦げ茶!」

-ズズズッ♪-

水公爵のせいですよ…!!」

「み?水公爵〜?…何それ?」

水を買い占めている強欲どものこった」

「水を買い占める〜っ!?」

「そうだ〜!水を買い占めてやがるんだ〜!!」


水を買い占める…!?
そんなひどいこと…!!


「…許せぇないっ!!」

-スチャ!!-

-ヒョイ-

-ボコッ!-

「おお〜!危ねえなぁ〜!
子分が親分を切るんじゃねいや〜い〜!」

「おお、ゴメン…イサオ…!」

「ありぇりぇ…ど、どうしたのかな〜?
アヒルどのは〜」

「ふふふ、痛いですよ、じっぺいさん!」

「ご、がめんねっ!!許して…!!」

「大丈夫です…」

「で、でもさ!
水を買い占めるなんておかしくない!?」

-ひゅん!-

-ヒョイ-

-スカッ-

-スルッ-

「…振り回すなって…」

「が、ゴメン…」