大売茶翁!


-とことことこ-


結局、あのお茶はなんだったんだろう…???

強いて言うなら、赤茶に近かったのかなぁ…


「それにしてもおけいさんも、
あのおじいさんも、
ものすごいお茶好きだったなぁ…!」


-とっとっとっ-

-ぴょいん!-


『のめのめのめのめのめ〜〜〜ぃ!!!!』


「…ん?」


なんだ、あのおじさん???


「飲め呑めのめノメ〜〜〜!!!!」

「飲みます、呑みます!
何でものみます!!」

「おお!!ここにも茶バカが!!!!
のめのめのめのめのめ〜〜〜っ!!!!」

「頂きーーーっ!!」

-グビグビグビグビグビッ!!-

「ぷは〜〜〜っ!!!!やっぱり煎茶だなぁ!!!!」


いけねっ…!!
おりぇには焦げ茶が…!


「のめのめのめのめ〜〜〜っ!!
身分上下を問わずに呑め〜〜〜っ!!!!」

「そうだ、そうだ!!
水は誰のものでもないんだぞ〜〜〜♪」


「ダメだ、このあんちゃん…!
お茶で酔っぱらっちょるぞ!!」

「おりぇ、酔ってませんから…!!」


-ぐびぐびぐびぐび…!-


「ぷは〜〜〜っ!!!!」

「うはっ…!!酒…くさくはないな…
おい!このあんちゃんをどっかに運び込んでやれ…!」

「だいじょうぶですひょ!
おりぇひとりれかえれます♪」

「ダメだこりゃ…」


-ヒュン!-


「お、今、野兎が…」

「何、言ってんだ、このにいちゃんは…」

「本当ですって〜、野兎が…」

「ほい、ほい…♪」


も〜う、おりぇしらふなのにぃ…



おけいさん♪


「お〜い!!お慶さん!!」

「どうしたんです、大きな声で…
足音も大きいし…」

「こ、これをまず見てんか!?」

「ほえっ…」

「お、おりぇも…!!」

「誰ですか、この小僧さんは…?」

「習わぬ門前の小僧じゃ!!
それよりこれを…!!」


-ゴソッ!!-


んっ…?
…こりぇは…


「はつもみじから、こんなものが出来よった!!」

「まあ〜♪紅茶ですか〜?」

「ち、ち、違うんじゃ!!ともかく一煎!!」


ごごご、おりぇも御馳走に…!!

-ぐぐぐ、ぐいぃ!-

「押さんでぇな、小僧さん…!」

「すすす、すみません…!!」

「お、おぬしゃあ、目が真っ黒ぞ…!?」


ほぇ…!?

なんのこと…???


-ギュッ、ギュ!-



そりゃまた嬉しいの〜っ♪


-とととととっ!-


ありぇ?
あのおじいさん、えらく急いでいるな??


「どぉしたんですかぁ〜?」

「慶さんとこに、お茶を渡すんじゃ〜!」

「お茶〜っ!?」


それはついて行かなきゃ!!


-タッタッタッ!-

「あっ!じっぺいさん!」

「直ぐに戻るよ〜っ!!」

「おいおい〜!大丈夫なのか〜!?」

「大丈夫だろ…お子さまじゃねえんだから…」

「そうですね…」


-じいい〜-


「…なんで俺を見てるんだ〜!コラ〜!!」




-タッタッタッ!!-

「待っておじぃさ〜〜〜んっ!
おりぇにもお茶を〜!!」

「な、なんじゃ、お前は…!」

「おりぇにもお茶を〜〜〜っ!!」

「なんじゃ、おぬし、数寄者か♪」

「はいはい!大好きです!!」

「そりゃあ〜うれしいの〜!
ホイッ!」


んっ…?

こりぇは…

…嬉野茶!!