ご先祖さま!?


-タタタタタタタ…!-

「ああ~やっぱり、おりぇ、オバケは苦手だ~!」

「誰だってそうだと思うよ…」

「いやぁあああああ~っ!!」

「チッチッチッ…!
人のことをオバケなんて言う前に、
あの人を見てごらんよ…」

「だ、誰を…!?」

「君のご先祖さまだよ…」

「…ほぇっ?」

「あれあれ…あの人だよ…」

-スッ…-


誰だ…あのおじさん…?


-んがぁ~っ…!!ずぴ~ぃ…!-

「…スッゴい、いびきだなぁ…」

「酔っ払ってるからだよ…」

「ええっ…!?」

-スッ…-

-ヒュイン…-


い、今…!!
ワープした…!!

…スゴいっ!!!!


-ツンツン…-

「起きて…あなたの子孫が来ていますよ…」

「…んん~っ?ワシの子孫だとぉ…?」

「君もこっちにおいでよ…」


ええ…いやだぁ…!
おっかない…!


-そろ~り…そろ~り…-


「…うはっ!お酒くさっ!!」

「ぷはっ…!ゲプ…うえ…うえぇ…」


-さ、最悪だ…!このオジサン…!-



カルマコアラ!も再び!?


-ゾクゾクッ…!!-


なんか寒気がする…!


「お大事に…」

「だ…!誰だっコイツ!?」

「僕は…カルマコアラ」


また出た…!!

いやぁ…!幽霊だ~っ!!


-タッタッタッタッ…!-

-ワシッ!!-

「お、お前!俺を置いてまた逃げようと…!」

「だってマサル!幽霊だよ!?逃げようよ!!」

「逃げなくたって…僕は何もしないよ…」


いやぁ…!!幽霊が…!幽霊が喋ったぁ…!!


「だから逃げようと…!」

「離してマサル!!逃げなきゃ!!」

「落ち着いてよ…僕は何もしないし、出来やしないからさ…
…心を読むくらいしか…それと未来の暗示とか…」

「えっ…!?おりぇ占いとか、そういうの大好き!」

「じゃあ占おうか…?」

「いや、やっぱり止めとく…!そういうの怖いし…!」

「言いたくないけどお前、アタマ…!」

「なにマサル?」

「…いや、なんでもねえ…」

-ムキピキ!-

「占われる前に、自分の未来は自分の筋肉で開くべきだぞ!
軟弱な肉体には、軟弱な心意気しか宿らない!!」

「な…軟弱…!」


…ほは…また言われた…


-ガクッ…-


「言いんだよ…彼と比較したら、誰もが軟弱に見えるさ…」

「…あ、ありがとう…慰めてくれて…」

「そんなことないよ…」

-スッ…-


あ、握手…!!


「ヨロシクね…!」

-スカッ…!-

「やっぱり幽霊だぁ~っ!!」

-ダダダダダッ!!-

「…また行っちまいやがった!!…▽◎¢★!!なんてヤツだっ!!」

「私が追いかけよう!!」

「…負けてられるかよっ!!」

-ムキピキムキ!!-

-サササササッ!-

「僕だけ置いてけぼりかぁ…」

-フワァ…-

「じゃあワープしちゃおぅ、っと…」

-フワッ…!-



ヘロン八郎太!再び!!


-ピキ〜ンッ!-


なんだろう?
この筋肉が張り裂けんばかりの音は…!?


「ゲッ…!おいっ!じっぺい…!!」

「なにっ!?」

「あいつは八郎太だ…!!」

「…えっ?源八幡太?」

「誰だそりゃ!?違うっ!あそこにいるヤツだっ!!」

「えっ…!?あっ…!!」

- ピキピキ〜ンッ! -

「あのムキムキぼでぃはっ!!」

「そうだ、ムチムチぼでぃのお前のライバル!八郎太だっ!!」

「…えっ?」

「こっちに来るぞっ!!」

- ピキピキピキピキッ! -

「ちょ、ちょっと待って…?おりぇがあの人のライバル?
いや、それ以前にムチムチぼでぃって何よ…?」

「お前、素っ裸に腰紐だけじゃないか…!
…それよりどうする!?」

「いや、それよりじゃないでしょ…?
なんてヒドイこと言うの、マサル…!」

「えっ…?何を気にしているんだ、お前?」

「…えっ?おりぇメタボじゃないよ…?」

「はっ…?何言ってるんだお前…」

「ムチムチって何さ?
あの人のムキムキと比較されるおりぇの気持ちになってみてよ…?」

- ピキピキピキ! -

「失礼、ムキムキとは何だろうか?」

「ぎゃあ!筋肉が眩しすぎる!!」

「お前が時間を取らせるからだぞっ…!?」

「ムキムキとは、違う可能性を秘める」

- ピキピキピキピキ… -


か、体が小さく、タイトになっていくぞ…!?
…それも劇的だっ!


- ピキピキピキピキ… -

「…ほっ、ホッソリ…!!」

「…ホソマッチョ!!」


…ど、どうなってるんだっ、この人!?


- パキッ! -


いやぁ…関節を鳴らす姿が怖い…!


「私は八郎太。君の名前は…
…君は妙にふっくらとしているな」

「えっ…!」

「ほら見ろ!」


- ガ〜ンッ!! -


「そんな…」


- しょボ〜ン… -


「もっと体を鍛えた方が良いぞっ!!」

「…はい…」


- ガックシ…! -


「ハハハハハハハッ!」


- ジロリ…!! -


「いや、ははは…」


おりぇ…むちむち…


- ガクッ…! -



トレ〜スィ〜モンキ〜、マサル♪


-すたたたたたたたたっ…!-

「はぁはぁ…ここまでくればもう大丈夫…!」

「きゅいきゅい♪」

「あっ、ゴン太♪もう大丈夫だよ♪」

「きゅい♪」

-スッ-

「それはオメデたいこったな…!」

「…うわっ!」

-ガバッ!クルッ!-

「…ま、マサルじゃまいの!?なんでここに…!?」

「…」

「ま、マサル…!?」

「…さっき、会ったよな?」

「…えっ!?ウソっ!?」

「きゅい♪」

「ええっ…!?」

-ガクッ…-

「どうしたのマサル…!そんなにうなだれて…」

「…いや…」

「きゅいきゅい♪」

-ぴょん!-

「きゅきゅきゅ♪」

-ぴょこぴょこぴょこ♪-

「…ありがとよ、なぐさめてくれて…」


なんだかマサルとゴン太、仲イイな…♪


「どうしてここがわかったの?」

「…これでもな、一応のこと、火ギツネの居場所がわかるんだよな…」

「ええっ!?なんで!?」

「そりゃあ俺が 'トレーシーモンキー' だからさ」

「グレーシー・モンキー!?
なにそれ!クロン・グレーシーみたい!」

「…それは柔術家だろ…」




カルマコアラ!?


「お〜い!じっぺい!」

ありぇ!?
ありぇマサルじゃまいの!

「お〜い!どうしたの〜!?マサル〜♪」

-タタタタタッ!-

-スコ〜ン!-

「イタッ!何するのマサル!!
いきなり叩くなんて!!」

「『どうしたの〜♪』じゃないだろっ!!
いきなり俺たちを置いて
勝手にどっかにいっちまいやがって!!」

「えっ?」

「『えっ?』ってのはなんだ!!
『えっ?』じゃないだろ!!」

「ええっ…!?」

だっておりぇ、何もしてないよ…???

「なんだ、その「自分は何もしてないよ?」
みたいな表情は!!」

「イヤだなぁ…マサル、そんなわけないじゃまい…!」

ちょ、超能力者…!?

「オマエの考えていることは、
全部顔に出ているんだ!
…いや、正確に言うと声にも出ている!!」

「うそっ…!?」

「うそなもんか…!」

うそだぁ…

-トントン…-

じ「はい、どなた?」

…!!

ま「誰だ!!」

あ、足がない…!!

「ふふふ、君、今、彼のこと、
超能力者だと思っていたでしょ…?」

あ、足がない上に、こっちにも超能力者…!?

「何者だっ、オマエ!?」

「ぼくはカルマコアラ…
みんなからは`オカルト・デ・アラカルト‘」
って呼ばれているんだ…」

お、オカルトでアラカルト…?

じ「ぷふっ…!」

ま「プッ…!」

「いやだなぁ…笑わないでよ…
自分でつけたわけじゃないんだから…」

なんか、悪い人じゃなさそうだな…♪
…足がない上に、宙に浮かんで見えるけど…

-ゴシゴシッ!-

「じっぺい…俺にも浮いて見えているぞ…」

「本物のオカルトだ〜っ!」

「ちょっ、俺を置いて行くなって…!」

「ひぃやぁ〜〜〜っ!!」

カ「待って、待ってよ…」

-ヒュヒュヒュ〜-

「ぃゃぁ…」

「…ぇ…」


駿足ツノウサギ!


「いやぁ〜♪お茶飲み過ぎちゃった…」

-トコトコトコ-


おしっこがしたくなっちゃったなぁ…


-…ヒュ!-


んっ…?


「今、何かいたような…???」

-ヒュ…!-

「目の錯覚かな…?」

-ヒュヒュ!-


今、一瞬何かいたぞっ!?

ウサギ…!?


-ヒュヒュヒュ!-

「き、消えた…!」


-キュイ♪-

「ゴンタも見た!?今のウサギ!」

「キュ?」

「ご、ゴンタにはちょっと早すぎたかもね…♪」


それにしても…なんだ、あのウサギは!?
ツノが生えていたぞ…!?


大売茶翁!


-とことことこ-


結局、あのお茶はなんだったんだろう…???

強いて言うなら、赤茶に近かったのかなぁ…


「それにしてもおけいさんも、
あのおじいさんも、
ものすごいお茶好きだったなぁ…!」


-とっとっとっ-

-ぴょいん!-


『のめのめのめのめのめ〜〜〜ぃ!!!!』


「…ん?」


なんだ、あのおじさん???


「飲め呑めのめノメ〜〜〜!!!!」

「飲みます、呑みます!
何でものみます!!」

「おお!!ここにも茶バカが!!!!
のめのめのめのめのめ〜〜〜っ!!!!」

「頂きーーーっ!!」

-グビグビグビグビグビッ!!-

「ぷは〜〜〜っ!!!!やっぱり煎茶だなぁ!!!!」


いけねっ…!!
おりぇには焦げ茶が…!


「のめのめのめのめ〜〜〜っ!!
身分上下を問わずに呑め〜〜〜っ!!!!」

「そうだ、そうだ!!
水は誰のものでもないんだぞ〜〜〜♪」


「ダメだ、このあんちゃん…!
お茶で酔っぱらっちょるぞ!!」

「おりぇ、酔ってませんから…!!」


-ぐびぐびぐびぐび…!-


「ぷは〜〜〜っ!!!!」

「うはっ…!!酒…くさくはないな…
おい!このあんちゃんをどっかに運び込んでやれ…!」

「だいじょうぶですひょ!
おりぇひとりれかえれます♪」

「ダメだこりゃ…」


-ヒュン!-


「お、今、野兎が…」

「何、言ってんだ、このにいちゃんは…」

「本当ですって〜、野兎が…」

「ほい、ほい…♪」


も〜う、おりぇしらふなのにぃ…



おけいさん♪


「お〜い!!お慶さん!!」

「どうしたんです、大きな声で…
足音も大きいし…」

「こ、これをまず見てんか!?」

「ほえっ…」

「お、おりぇも…!!」

「誰ですか、この小僧さんは…?」

「習わぬ門前の小僧じゃ!!
それよりこれを…!!」


-ゴソッ!!-


んっ…?
…こりぇは…


「はつもみじから、こんなものが出来よった!!」

「まあ〜♪紅茶ですか〜?」

「ち、ち、違うんじゃ!!ともかく一煎!!」


ごごご、おりぇも御馳走に…!!

-ぐぐぐ、ぐいぃ!-

「押さんでぇな、小僧さん…!」

「すすす、すみません…!!」

「お、おぬしゃあ、目が真っ黒ぞ…!?」


ほぇ…!?

なんのこと…???


-ギュッ、ギュ!-



そりゃまた嬉しいの〜っ♪


-とととととっ!-


ありぇ?
あのおじいさん、えらく急いでいるな??


「どぉしたんですかぁ〜?」

「慶さんとこに、お茶を渡すんじゃ〜!」

「お茶〜っ!?」


それはついて行かなきゃ!!


-タッタッタッ!-

「あっ!じっぺいさん!」

「直ぐに戻るよ〜っ!!」

「おいおい〜!大丈夫なのか〜!?」

「大丈夫だろ…お子さまじゃねえんだから…」

「そうですね…」


-じいい〜-


「…なんで俺を見てるんだ〜!コラ〜!!」




-タッタッタッ!!-

「待っておじぃさ〜〜〜んっ!
おりぇにもお茶を〜!!」

「な、なんじゃ、お前は…!」

「おりぇにもお茶を〜〜〜っ!!」

「なんじゃ、おぬし、数寄者か♪」

「はいはい!大好きです!!」

「そりゃあ〜うれしいの〜!
ホイッ!」


んっ…?

こりぇは…

…嬉野茶!!



ベクテルの野望…!!


「それにしてもメチャクチャだよ!!
何で水を買い占めるのさ!?」

「…儲かるからだろ?」

「そんなバカな…!!」

「俺のオヤジも困っているんだがよ〜!!
最近、水公爵の片棒を担ぐ油売りがよ〜っ!!」


あ、あぶらうり…?
ま、マムシ???


「ええ…その油売りの
ベクテルという男が現れて以来、
水公爵たちはさらに水を買い占め出して…!!」

「ああ…以来、俺たちの故郷も、水がなくて
朽ち果てるやつらがごろごろ出てきている…」


…!!


-ぶわんっ!!-


「…誰にも水を盗む権利なんて、ないよ!!」

「じっぺいさん…」

「なんなのさ!!お金って!?人を祝ったり、
困っている人を助けるもんじゃないの!?
おかしいよ!そんなのって!!」

「…銀の匙を咥えてきた連中に、
下々の苦しみがわかるかってんだよ…!」

「マサル…」

「…」


森だけじゃなかったんだ…

水も、人の心も、
守らなけりゃならないんだ…


「…彼らが匙を咥えてようとも、
私たちに匙を投げることは許されませんよ!」

「う、上手いこと言うねぇ〜!アヒルどの!!」

「いやぁ〜っ♪ハハハ♪」

「おう、こいつは参った〜!」

「ついでに指を咥えて見てるわけにもな…!!」

-ガサッ!-

-ひゅわ!-

「…ま、マサル???」

「な…なんだ?」

「マサルさん…!?」

「ど、どうしちまったんだ〜!?コラ〜!!」

「…て、てめえら…!」


なんてこった…!!

マサルが、あのマサルが駄洒落を!!



水公爵の陰謀…!!


「それにしてもさ、
何でこっちの世界はこんなに水不足なの…?」

-ズズッ-

「…美味しいなぁ、この焦げ茶!」

-ズズズッ♪-

水公爵のせいですよ…!!」

「み?水公爵〜?…何それ?」

水を買い占めている強欲どものこった」

「水を買い占める〜っ!?」

「そうだ〜!水を買い占めてやがるんだ〜!!」


水を買い占める…!?
そんなひどいこと…!!


「…許せぇないっ!!」

-スチャ!!-

-ヒョイ-

-ボコッ!-

「おお〜!危ねえなぁ〜!
子分が親分を切るんじゃねいや〜い〜!」

「おお、ゴメン…イサオ…!」

「ありぇりぇ…ど、どうしたのかな〜?
アヒルどのは〜」

「ふふふ、痛いですよ、じっぺいさん!」

「ご、がめんねっ!!許して…!!」

「大丈夫です…」

「で、でもさ!
水を買い占めるなんておかしくない!?」

-ひゅん!-

-ヒョイ-

-スカッ-

-スルッ-

「…振り回すなって…」

「が、ゴメン…」



我がふるさと、なすの里


-ぐりんぐりんぶん!-

「おっ、マサルさん、
調子が良さそうですね!」

「お、おお…!なんだか肩の調子が…」

-ひゅん!ぶぅ〜んっ!!-

「おお〜っ!マサル、調子イイじゃまいの!
カッコントウの力だね〜♪」

「…こんなに効くもんなのか???
…今夜は眠れん気がする…」

「そうでしょ~!?このカッコントウは、
‘なすの里’特製のものだからね!ウフフ〜♪」

「なすのさとだぁ〜!?」

「そう、なすの里♪おりぇのふるさと!」

「へぇ〜!
なすの里っていうところなんですか!」

「うん、生まれた人は『必ず何かを成す!』
ってね♪それでなすの里♪」

「ふぅ〜ん…成すの里ね…」

「いいですね〜!」

「何を為すんだコラ〜!?」

「なっ、何かを…」

「何時までに成すんだコラ〜ッ!?」

「えっ…?」

「如何に成すんだコラ〜ッ!!?」

「あぅ…?」

「ダメダメじゃ〜ねえか〜っ!!!」

「おぅふ…」

-しょぼ〜ん-

「まっ、まっ、まっ!そこは一つ穏便に…!」

「たっくよ〜!故郷のオジキたちに
申し訳が立つように生きろや〜!!」

「…うん…ハイ…頑張ります」

「よ〜し〜!!」

「へへっ!」

「うふふふ♪」

「では参りますか!
我らが学び舎、三千学坊へ!」

-スック!-

-すちゃちゃ!-

「よしっ!頑張るぞ〜!!」

「…」

「あれ?どうしたんですかイサオさん…?」

「…も、もう少しこの景色を味わいてえなぁ〜?」

「…イサオ、帰るのイヤなんでしょ…?」

「バカいうね〜!」

「ウソだ。いつもより力がないもん」

「はっはっはっはっはっ!」

「ははは♪行きましょう、イサオさん」

「うわぁ〜〜〜っ…」

-ずりずりずりずり-




おりぇたちは、にょけ!


「なあ…ちょっくら聞いてもいいか?」


やけに真剣なマサルだな…?


「なに?どしたの?」

「あの、アホが入ってくると、
進む話も進まないからな…
手短に教えてくれ」

「アホ?ヒドイなぁ…マサルったら…
またそんなこと言って…!
友達、減るよ?」

「…話が進まねぇ…」

「あっ、そっか…ゴメン…
でもさ、やっぱりそんな言い方は良くないよ…」

「…」

「やっぱりさ、相手の事をそんな風に言っちゃったら、
そこで全部、オシマイじゃまいの…
そこは…ねぇ…?」

「…口が悪くてな」

「そっか!なるほど!
…んで何、話って?」

「…」

「なんで額を押さえてるのさ?
…もしや頭痛?
カッコントウ、いるっ!?」

「…ありがとよ…直ぐに治るぜ、お前が話し出せば…」

「…んんっ?心の悩みか…
なるほど…」

「…お前の言う、
‘あっちの世界’ってやつに興味がある…」

「ホントッ!?ほんとに!?」

「ああ…」


うわ〜っ!!!!


「実は、そんな場所が本当にあるんなら、
俺も行ってみてぇ…!
こっちの世界は真っ平御免だぜ…」

「なんで…?」

「そりゃあ、お前だって見たろ…?」

「…」

「俺はもっと自由になりてえ…」

「…でもさ、こっちの世界も、
そんなにあっちと変わらないよ?」

「…」

「違いと言ったら、善と結いがないことくらいかな…?
最初はゆいま〜るがないと思ったけど、
今はこっちにコンペテタがあるってわかったし♪」

「…コンピュウタな」

「そうそう、そのコンペテタ♪」

「…そっか…」

-スック-

「おりぇりぇ?もうイイの?」

「…ああ」


ちぇ…
折角ならカッコントウのスゴさを
試して欲しかったのに…


-ショボ〜ン-


「か…カッコントウが必要かもしれねえなぁ…!」

「ホントッ!?」




クロボー ‘名門’


「美味いね〜!これ!!」

-もぐもぐ!-

「ですねぇ〜!さすが‘名門’!」

-もぐも、ぐもぐも!-


…メイモン??

…何が???


「ねぇ、アヒルどの。何がメイモンなの???」

-ググモ、グモグモ-

「今、食べてるこれ♪
‘名門’って名前なんですよ♪」

「へぇ〜っ!お菓子の名門!!」

「博識じゃねえか〜!」

「ホウッ!こいつ、そんな名前だったのか!」

「…あれ?みなさん、子供の頃…
これで遊びませんでしたか?」

「ううん、ナイよ?」

「ねえなぁ〜!」

「ない」

「…そうですか…そうか…」

-もぐもぐもぐ-


どうしちゃったのかな?

アヒルどの…?