仁の人ツネタミ!


-トットットットッ-

「せんせぇ〜っ!

せんせ〜〜〜ぇっ!」

「おおっ、ツネタ!今戻ったぞ♪」

おっ!?

なんか感じのいい人だなぁ!

優しそうだ~♪

「お早いお戻りで!」

「うむっ、少しヤボ用が出来てな♪」

「野暮用ですと!?

…して、こちらのお方は?」

「この者はにょるじっぺい!

セイタロウどのの森で出会うて、

火の山を目指しておるそうじゃから、

ここまで連れてきたのじゃ♪」

「ミチノクからここまで…!

それは大変なお戻りで…!」

「…あっ、あの、初めまして♪

おりぇの名前はにょるじっぺい!

これはカッコントウです♪」

-ぺこり-

「これはこれは!

わたくしはツネタミオ。

ツネタと呼ばれております!

初めまして!」

-ぺこり!-

「あ、いやいやこちらこそ!」

-ぺこり、ぺこり♪-

「そちらの葛根湯は、行商ですか?」

「あっ、いえ!

これはただの、

…新聞紙を丸めただけのものです…!」

なっ、何だかまた説明するのが

ちょっと恥ずかしいなぁ…

「ほぉ!」

「あっあっあっ!あのですね!

本当は‘草一文字’っていう

太刀を持っていたんですけど、

大河を渡る途中に落としちゃって!」

「ほうほう!それでっ!?」

「あの、東の都でこれをもらったから、

取り敢えず腰にさして…」

「…ははぁ〜♪なるほど!」

「…んえっ?」

「なるほどなるほど!

納得いたしました!

『世の憂いを一刀の下に、世直しカッコントウ』

というわけですな♪」

「…え…ええぇ〜!?」

「はっはっはっ!

このように素直な若者じゃ♪

ワシが連れてきた理由もわかろう!」

「なるほどなるほど!納得いたしました!

『鉄は熱い打ちに打て』

ですな♪」

???

…何だか嫌な予感が…!

「はっはっはっ♪

では参ろうかの!」

「参りましょう♪

今日は皆、張り切って

そうめんを打っておりました!」

「…まさかおヌシたち!?

またワシの学坊から、

そうめんを流す気なのかのっ!?」

「ハッハッハッ!

一切、水は無駄にしておりませんぞ♪」

「左様なことを申しておるのではない!

なぜワシの学坊の上から、

毎年っ毎年っ、行うのじゃ!?」

「人の上に立つお方は、

お手本となりませぬと!

ハッハッハッ♪」

「む、む、むっ!

…好きにせいっ!」

…なんだかよくわからないけど、

すごい状況に

出くわしてしまったような気がするぞ…!!

…しかしきっと、

美味し~流しそうめんなんだろうな!

-ぐぅ〜っ-

それにしても、

水不足は…大丈夫なのかなぁ…?