語らいの一時♪


-…かこーん-

…い〜ぃ鹿威し(ししおどし)だな〜っ!

…って、また水を使うものだな…?

水不足って言うわりには、

水が豊富だな、ここは…?

-がらがら!-

「おおっ!お待たせっ!」

「あっ!この間はどうも!

じっぺいです♪

そしてこれはカッコントウ♪」

「はは〜!

シンヨウ先生の横で、

ずっとそうめんばかり食っとったやつだな!」

「はっ、恥ずかしい…!」

-テレッ-

「若いうちは皆そうじゃ〜〜!

食い気、好奇心、それに色気とな!

大体、相場が決まっておる!

がっはっはっは!」

なんだかえらく気っ風の良い人だな〜!

「先生から聞いたぞ!

‘マージナル・アイランド’から、

来たそうじゃの〜!」

「はっ、はい!

こっちではそう呼ぶってことを、

先週少しだけ勉強しました!」

「ははぁ〜!

随分と絞られているようじゃなぁ〜!

がはは〜っ!」

-コクッ-

「何となく嫌な予感がしていたんですが、

この山に入ったら、

必ず勉強しなければならないんですね…」

「がはっはっ!

若い身空にはキツい仕置きじゃの〜〜〜!

ワシも逃げ出したいわ〜〜!」

「はっはっはっ♪

おじさんもですか!」

「がっはっはっ!

ここの連中は生真面目過ぎるわ〜〜!

さて、なんでも良いぞ!

わしのカラクリ、発明、実験の所産を

楽しんでくれぇ!」

「あっ!そっか♪

ええっと!まずは、

水がないのになんで鹿威しが出来るのか、

教えてください!」

「がっはっは!

あの添水(そうず)は、

磁性流体と電気回路の実験じゃ〜!

水は使っておらん!

がっはっは!」

「…そ、そうず?

じ、じせいりゅうたい???

なんですかそれっ!?」

「話すと長い!

手短に言うと、

コンピュータを作っておるのじゃ〜〜〜!」

「みっ、短い!」

こ、こんぴゅ〜た?

「こんぴゅ〜たって、なんのことですか!?」

「がっはっはっは!

おぬし持っておるではないかぁ〜!」

んんっ!?

おりぇが?

「それじゃ〜〜っ!

お腰に付けたモモタロさん!

箱を開けたらドンガバチョ!」

「こ、こりぇ〜!?」

この黒い箱がっ!?

-ガチャ-


そうめんずるずる!!

-ズルル!-

う〜ん!

うまいっ♪

このそうめん、茹で具合がっ抜群だっ♪

おりぇ、このくらいコシのある

そうめんが好きだな~!

-ズルズル!-

シ「どうじゃ!うまかろう!?」

-ずるり-

「はいっ!うまいですっ!」

-ズルズルズルズル!-

ツ「わたしも楽しみにしていたんですよ♪」

-ズズズッ-

ツ「今年の水不足は一段と深刻で、

これが今年の初そうめんになります♪」

「…そうなんですか…

こっちは水不足がひどいんですね…」

-ズッ-

?「そうなんじゃ!

山の恵みがあるものの〜、

山を捨てるものも多いぃ、のっ!」

-ずるずるずるずるずるずるずるる!-

なんかおもしろいおじさんだな♪

-ズルズルズルズル!-

-ズズズズッ-

-ズヒョヒョヒョヒョ!-

ツ「…しかし植衛門どのの、新たな街作り、

上手くいきそうですな♪」

-ズズッ-

シ「うむっ♪

この調子なら、新しい土地にも行けようぞ!」

-ずるずる-

「植衛門さんって、このおじさんのこと?」

-ズズズ!-

ツ「そうです♪

この学坊に、

いや、今後の日の本に

なくてはならない人です!」

ずるっ!

植衛門「ははは〜!照れますなーっ!」

シ「良かったら今度、

二人っきりで会ってみるかの!?」

「…えっ?それどういう意味ですか…!?」

植衛門「平たく言えば、

ワシと合コンということじゃなぁ〜〜〜!」

-ずるずるっ-

シ「ヨシッ!

ワシがせってぃんぐしてやろうっ♪」

-ズビズビズビ-

シ「めんつゆも、うまいの〜!」

ご、ごうこんの…

…せってぃんぐ?

…なんだかおもしろそうじゃまい!

-ズッ-


大流しそうめん大会!


-ひゅるひゅるひゅる〜っ-

-ずささっ!!-

「とりゃあっ!!」

「しまった〜〜〜っ!!うぬぬ〜〜っ!!」

な、なんて壮大なスケールの

流しそうめんなんだ!

あ、あんな山のてっぺんから、

わざわざ…!

「おおっ、やっておりますな!」

「むぅ…!

…またワシの書物がびしょ濡れじゃ…!

…それにお気にの枕もの…!」

「今年は水不足が一段と深刻になりましたので、

心配ご無用ですぞ♪

濡らす程の水があり申さん!

はっはっはっ♪」

「…そうかっ!

今年はワシも安眠できるのじゃな!

良かった良かった♪

お気にの枕を高くして眠れるわの♪」

そ、そこ…!?

み、水不足は…?

「今年より、

植衛門どのの新たな試みも

上手くいきましたので

もう水が飛び散ったり、

先生の部屋にそうめんが落ちることは、

ありませんぞ♪」

「さすが植衛門どのじゃな♪

…良かったワシの枕!」

…そうめんまみれの部屋って、

ちょっと見てみたいかも…!?

-ひゅるるるるる-

ありぇ!?

いまそうめんの固まりが、

空を飛んでいたぞ!?

-ひゅうううう〜-

-バシッ!-

「おおっ、御見事♪

そうめんが空を舞っておりますぞ!」

「うむっ♪

汁ひとつ飛び散っておらぬ、見事じゃ!」

「さすがは植衛門どの!」

-タッタッタッ-

-プゥ〜-

「おお〜っ!

殿方!

ご覧になられましたか~っ!?」

「おおっ♪植衛門どの!

実に見事じゃの〜♪」

「ありがとうございます!

皆の力が大きかったようで~!」

-プゥ-

「これなら、うまくいきそうじゃの♪」

「はいっ!」

何の話してるのかな?

そうだ、今のうちにおりぇもそうめんを!

-いそいそ-

-モグモグモグモグモグ!-