我がふるさと、なすの里


-ぐりんぐりんぶん!-

「おっ、マサルさん、
調子が良さそうですね!」

「お、おお…!なんだか肩の調子が…」

-ひゅん!ぶぅ〜んっ!!-

「おお〜っ!マサル、調子イイじゃまいの!
カッコントウの力だね〜♪」

「…こんなに効くもんなのか???
…今夜は眠れん気がする…」

「そうでしょ~!?このカッコントウは、
‘なすの里’特製のものだからね!ウフフ〜♪」

「なすのさとだぁ〜!?」

「そう、なすの里♪おりぇのふるさと!」

「へぇ〜!
なすの里っていうところなんですか!」

「うん、生まれた人は『必ず何かを成す!』
ってね♪それでなすの里♪」

「ふぅ〜ん…成すの里ね…」

「いいですね〜!」

「何を為すんだコラ〜!?」

「なっ、何かを…」

「何時までに成すんだコラ〜ッ!?」

「えっ…?」

「如何に成すんだコラ〜ッ!!?」

「あぅ…?」

「ダメダメじゃ〜ねえか〜っ!!!」

「おぅふ…」

-しょぼ〜ん-

「まっ、まっ、まっ!そこは一つ穏便に…!」

「たっくよ〜!故郷のオジキたちに
申し訳が立つように生きろや〜!!」

「…うん…ハイ…頑張ります」

「よ〜し〜!!」

「へへっ!」

「うふふふ♪」

「では参りますか!
我らが学び舎、三千学坊へ!」

-スック!-

-すちゃちゃ!-

「よしっ!頑張るぞ〜!!」

「…」

「あれ?どうしたんですかイサオさん…?」

「…も、もう少しこの景色を味わいてえなぁ〜?」

「…イサオ、帰るのイヤなんでしょ…?」

「バカいうね〜!」

「ウソだ。いつもより力がないもん」

「はっはっはっはっはっ!」

「ははは♪行きましょう、イサオさん」

「うわぁ〜〜〜っ…」

-ずりずりずりずり-




おりぇたちは、にょけ!


「なあ…ちょっくら聞いてもいいか?」


やけに真剣なマサルだな…?


「なに?どしたの?」

「あの、アホが入ってくると、
進む話も進まないからな…
手短に教えてくれ」

「アホ?ヒドイなぁ…マサルったら…
またそんなこと言って…!
友達、減るよ?」

「…話が進まねぇ…」

「あっ、そっか…ゴメン…
でもさ、やっぱりそんな言い方は良くないよ…」

「…」

「やっぱりさ、相手の事をそんな風に言っちゃったら、
そこで全部、オシマイじゃまいの…
そこは…ねぇ…?」

「…口が悪くてな」

「そっか!なるほど!
…んで何、話って?」

「…」

「なんで額を押さえてるのさ?
…もしや頭痛?
カッコントウ、いるっ!?」

「…ありがとよ…直ぐに治るぜ、お前が話し出せば…」

「…んんっ?心の悩みか…
なるほど…」

「…お前の言う、
‘あっちの世界’ってやつに興味がある…」

「ホントッ!?ほんとに!?」

「ああ…」


うわ〜っ!!!!


「実は、そんな場所が本当にあるんなら、
俺も行ってみてぇ…!
こっちの世界は真っ平御免だぜ…」

「なんで…?」

「そりゃあ、お前だって見たろ…?」

「…」

「俺はもっと自由になりてえ…」

「…でもさ、こっちの世界も、
そんなにあっちと変わらないよ?」

「…」

「違いと言ったら、善と結いがないことくらいかな…?
最初はゆいま〜るがないと思ったけど、
今はこっちにコンペテタがあるってわかったし♪」

「…コンピュウタな」

「そうそう、そのコンペテタ♪」

「…そっか…」

-スック-

「おりぇりぇ?もうイイの?」

「…ああ」


ちぇ…
折角ならカッコントウのスゴさを
試して欲しかったのに…


-ショボ〜ン-


「か…カッコントウが必要かもしれねえなぁ…!」

「ホントッ!?」