アヒルどの♪


-ダダダダダッ-

-タッタッタッ-

-トットットッ-

-トコトコトコ-

-トタトタ-

-トタン-

-ペタッ-

「ハァ〜、ハァ〜、ふああぁ〜」

ア「はっ、はっ、はっ」

「心臓が爆発しそう…」

「…私も…です…速いですね…!」

「いや…アヒルどのこそ…!」

しまった…!

ついアヒルどのと…!

「いえいえ、ジッペイさん!

…あなたは山の上から、ずっと走ってきたのでしょう?

並外れた心肺機能ですね♪」

「ありぇ?

自己紹介をしましたか、おりぇ?」

ア「あれ?

したようなものではありませんか!?」

「…確かに!」

「このままクジュウまで参りましょう。

その途中で、おソバでも食べましょう♪」

「やったーっ!」

-グゥ-

「胃も立派ですね♪」

「おっ、お恥ずかしい限りです…!」

「ハハッ!大盛りでいきましょう♪」

「…やったーーーっ!!」

-ぐぐぅ-


アルフレッドさん!


-タッタッタッ-

あれっ!?

誰だろう、あのアヒルさんは?

「あっ!ここです!ここですよ!」

「どっ、どこですか!?」

「ハハッ♪

噂どおりの方のようですね!」

んっ?

なんの噂?

-タッタッタッ-

-シュタタッ-

「山の麓まで一緒に走りましょう!

私の名前はアルフレッド!

ここにいる人たちは皆、

アヒルどのと呼んでくれます♪」

「あっ、アヒルどの~!?

…いいんですか、それで!?」

「構いませんよ!

この身空で殿扱いですから、

なんら文句はありません!」

そっ、そういう問題なのかな…?

「よしっ、じゃあアルフレッドさん!

このまま麓まで競争しましょう♪」

「望むところです!」

-ダダダダダッ!-

-ヒューン!-


オジサン再び!


-タッタッタッ-

「おおーっ!!

じっぺい!直ったぞーーーっ!!」

あっ、オジサンだ!

「お〜いっ!

おりぇ行くよ〜っ!

出発しま〜す!」

「おおーっ!そうか〜!

じゃあコレを持っていくといいぞーーーっ!」

-ポーン!ストン!パフッ♪-

「あっ!?軽い!

おりぇの黒い箱が一段と軽くなってる!」

「ガハハハ!

そうじゃ〜あ!

ずいぶん軽いじゃろ〜!?」

「ハイッ!

すっごく持ち歩き易いです!

おりぇの巻物みたいだ〜!」

-タッタッタッ-

「ハハハ〜ッ!

止まりもせんかーーーっ!

ガハッ!ガハッ!ガハハ〜ッ!」

-プゥ-

「くさっ!

…ハイ!おりぇはもう止まりませ~ん!」


-タタタタタッ-


「ガハハーッ!

あいつを見ていると気持ちがいいの〜〜〜!

故郷の海を思い出すわっ!」

-プププゥ〜♪-



我が行いにせずばかいなし


-じゅるり-

「…よいか、じっぺい」

「はひ…」

-ずぴぃ〜-

「何事も精進あるのみじゃ、倦まずたゆまず!」

「はひっ!」

-シャキィッ-

すすす、すごい迫力だな!

「己れを信じ、また自惚れず!」

「…はいっ!」

「…犬も歩けば棒に当たるじゃ♪」

-ズコッ-

「は、はい…?」

「はっはっはっ!

何事もその精神で行けば、

自然と道は開ける♪

楽しむのじゃ!」

「はいっ!」

「よしよし、何か困ったことがあったときは、

すぐ戻ってくるのじゃぞ?」

「…はいっ!…行ってきます!」

-ペコリ!-

「うむ!」

-ペコリ-

-タッタッタッ!-



古の道を聞きても唱えても


-たったったっ-

あっ!シンヨウ先生だっ!!

「せんせぇ〜ぃっ!!」

「おおっ!どうしたのじゃ、じっぺい?

そのように慌てて…!」

-たったったっ-

「先生っ、おりぇ!

この山を降りようと思います!」

「…そうかっ!!」

「はいっ!

おりぇ!

火ギツネを探しに行って、

森を守りたいから、

行ってきます!」

-たったったっ-

「うむっ!意気や良しっ!!

己が信じる道を進むのじゃ!」

「はいっ!」

「これは餞別じゃ!持っていくがよいぞ!」


-ひゅるる〜-


-ぱしっ-

「何ですか、こりぇ!?」

「それは四書五経

(ししょごきょう・ごけいとも)

のうち、

ワシがいくつか選んで写本したものじゃ!」

「…あっ、ありがとうございます!」

先生、わざわざ写本してくれたんだ!

「おヌシの巻物とは比べるべくもないかもしれん…

しかし時代は変われど、

人の世の真理は一つじゃ!

大いに学び、中庸(ちゅうよう)を知るのじゃぞ!?」

なんで先生は、

たまたま出会ったおりぇに、

ここまで優しくしてくれるんだろう…!

-ズズズッ-

あっ!いけねっ!鼻水が出てきちゃった!

「はっはっはっ!泣くなジッペイ!

お役目を果たさば、また戻ってこれよう!?」

「はっ、はいっ…!」

「山の麓に、おヌシの道案内をする者が待っておる。

まずはその者と、

九重(くじゅう)を目指すが良い!」

「くじゅう…?何処ですか?そりぇ!?」

「この山を下り、南に進んだ場所じゃ!

火の山に行く前に、

おヌシは行かねばならぬ…!」

「はっ、はいっ…!」

何があるんだろう…?

それに先生のこの目つき、何か怖いな…

-ズルズル-

「…じっぺい」

「はい!」

-ズルズル-

-ぶしゅ-

「…まずは鼻をこれで鼻を拭くのじゃ!」

「…はひっ」

-ちぃ〜んっ-

-じゅるじゅる-

「ありゃ…」

-びろ〜ん-

シ「…ううむ」