そろそろ火ギツネを…


-ぽつ〜ん-

「…はぁ…」

-とぼとぼとぼ-

-たすっ-

ふぅ〜〜

植衛門おじさんにもう一度、黒い箱を預けたら、

…することがなくなっちゃったなぁ…

…この山に来てから、

随分いろんなことを教わったけど、

頭の中が整理できてないし、

まだ知識を活かす機会も少ないなぁ…

-ぽふっ-

…こんなとき巻物があればなあ…

いろいろ覚え書きを読み返せるのに…

「…ふぅ〜」

…考えても仕方ないか!

無いものは無いわけだし

それにしてもおりぇは、

一体どこで、草一文字や巻物を

なくしちゃったんだろう?

こっちに来るときの

‘大河’を渡ってくるときには、

ちゃんと持っていたはずなんだけど…

-かこ〜〜〜んっ-

あっ!

ここまでおじさんのところの添水(そうず)が

聞こえてきたぞ♪

やっぱり朝はいいなぁ〜!

山の霊気を分けてもらう感じだな♪

「よしっ!」

-すっく-

「シンヨウ先生に、

この山を立つことを伝えよう!」

火ギツネを探して、森を守らなきゃ!

-タッタッタッタッ-


言葉がわからない…


「…う…う〜ん…」

はっ!

「くっ、くさいっ!!!!!!!!!!!!!

…んっ!?

ありぇ?おかしいな?

全然臭くないぞ?ありぇりぇ???」

-ガラッ!-

「お〜!

起きたか〜〜〜!

どうじゃ〜寝覚めは〜〜〜!?」

「えっと…

何だかすごっく臭っい気がしたんですけど…

特別何か匂うってわけじゃなくて、

不思議な感じで…」

「ほほ〜〜〜!

何故かの〜〜〜!」

「…っておりぇ、

話の途中で寝っちゃってました!?

…す、すみません…!」

-ぺこり!-

「いやいやいやいや〜〜〜!

は、話の内容が少し複雑だったからの〜〜〜♪

がははっ!」

「ああ!そうだった!

じせいずうたいとか、こんぴゅ〜てんとか…」

んっ!?

「こ、ここここ、ここどこですかっ!?

ありぇりぇりぇりぇ〜!?」

「おお〜〜〜っ!

退屈して居眠りこいて居ったから、

ちょいとわしの仕事場に連れてきたのじゃ〜っ!

息抜きになろ〜〜〜!?」

「やった~♪

なんかここ、

色んな機械があって面白いです!」

「ははは〜〜〜!

あそこは冷えるしな〜〜〜っ!

山は寒い!

寒すぎるわ〜〜〜っ!!」

「そんなに寒いですか?」

「いやもう、腹が立つくらいになぁ〜〜〜♪」

「は、腹が立つほど寒い…」

オモシロい表現だな…♪

「熱い大地はますます暑く!

そして寒い大地はますます寒く!!

めっちゃくちゃな大気の乱れ!!

死ぬな!

このままいくと!」

「だっ!誰が死ぬんですかっ!?」

-ガタッ!-

「もちろん真っ先にわしじゃ〜〜〜!!

寒くて死ぬわ〜〜〜っ♪

がっはっはっ!」

「おっ、おじさんからですか!

…はっはっはっ♪」

「そうじゃ〜わしじゃ〜〜〜!

故郷を離れ、異国にて寒さでくたばる!

ひ〜さぬや〜!」

「ひ〜さぬや〜?」

「さむい〜ってことじゃ〜〜!

べり〜こ〜るどね!」

「おっ、おじさんはどこから来たんですか!?」

「龍宮〜!」

「あっ!それで寒がりなんだ~♪」

「に〜に〜、まなぶに〜だね〜♪

勉強し過ぎて、

まなぶり〜にならんようにね〜〜〜♪」

???

...!

「取ってこい!」

-ひゅるっ!-

「これでよしっと♪」

「おっ!

使いこなしておるの〜〜!

少し改良しておいたよ〜〜〜!」

ありぇりぇ♪

おじさん、言葉が混じってきた!

「おじさんは薩摩訛りで話すときがありますね!」

「そうそう!

ときたま出てくるんよ!

筑紫の訛りも出るよ〜〜!

ここに来て長いからね!

ふぅ…」

ありぇ…薩摩の話は、まずかったのかな…

「あの…気分悪くしちゃいましたか…?」

「なにをっ?ホワットゥ???」

「あ、いや、その薩摩のことなんですけど…」

「???

…!

あ〜〜〜っ!

がっはっはっ♪

に〜に〜、まなぶり〜だ!

がっはっはっ!」

ありぇ...?

ありぇありぇ...??

「過ぎたことだよ〜〜〜♪

昔のこと知っているの、いいことだね!

でも、過去に捉われたらダメだね♪

わかる〜?」

「…」

うっ、ちょっと自分が情けなくなってきたぞ…

「デリカシ〜は大事ね♪

がはっ、がはははっ!」

「…ふへへ♪」

-プゥ♪-


南から来た発明家


「これ、こんぴゅ〜たって言うんですか!?」

「いかにも〜!

それは特に、パソコンと呼ばれておる代物じゃ〜!」

「ぱ、ぱそこん?」

「長いとパーソナルなコンピュータで、

短いとパソコンじゃ〜〜!

ちょいとレガシー(古め)な代物じゃわいなぁ〜!」

「れ、れがしぃ…!」

わ、わかんない言葉ばっかりだなぁ〜!

こんなとき、巻物があれば…

「どれぇ〜、少し貸してみぃ〜〜〜♪」

「あっ、どうぞ♪」

-カチャ!-

「ほほうっ!ほほっ〜〜〜!?

…ほっ!?」

「ほっ!?どうしたんですかっ!?」

「これはマニアックじゃの〜〜〜!」

「へぇ〜っ!」

…いいのかなっ!?

…悪いのかな?

-カチャカチャカチャ-

「これ、わしに貸してみんかぁ…?

直しちゃるぞい!」

「…えっ、

…まだ壊れてるんですか?」

…おりぇが直したくらいじゃ

ダメだったのか…!

-しょぼ〜ん-

「いやいやいや〜〜!

中々良く直しておてるよ〜〜ん♪

ただの〜、部品が足りておら〜んっ♪」

「ああ〜っ、そうだったのか!

どうりでスカスカしてたわけだ♪」

「オヌシィィ!変わっておるの〜〜♪」

「えっ!そうですか?

そうなのかな…?」

「がはっ!がはっ!

がはははは〜〜〜っ!」

-ブウッ〜〜〜!-

「はっはっはっ!

…むっ!

…く、臭いっ…!」

「すま〜んの〜っ♪

ひり出してしもおたーっ!

がっはっはっ♪」

「はっはっはっ…

…ぐえぇ〜っ…おえっ…!」

-ばた〜〜んっ!-

「おっ!?だ、大丈夫か〜っ!?」

-ごろん-

「ぐが〜ぐが〜」

「こやつ〜っ!

屁が臭くて気を失ってしもうた上に、

そのまま寝ておるぞ〜〜〜!?」

-ズルズルズル-

「がはっ!がはっ!がはは〜〜!

家に連れて帰るかな〜〜〜!

…よいせっ!」

-ブウウウッ!!-

「がはっ!がはっ!

がははははははは〜〜〜っ!!」

-ズルズルズルズル-