そうめんずるずる!!

-ズルル!-

う〜ん!

うまいっ♪

このそうめん、茹で具合がっ抜群だっ♪

おりぇ、このくらいコシのある

そうめんが好きだな~!

-ズルズル!-

シ「どうじゃ!うまかろう!?」

-ずるり-

「はいっ!うまいですっ!」

-ズルズルズルズル!-

ツ「わたしも楽しみにしていたんですよ♪」

-ズズズッ-

ツ「今年の水不足は一段と深刻で、

これが今年の初そうめんになります♪」

「…そうなんですか…

こっちは水不足がひどいんですね…」

-ズッ-

?「そうなんじゃ!

山の恵みがあるものの〜、

山を捨てるものも多いぃ、のっ!」

-ずるずるずるずるずるずるずるる!-

なんかおもしろいおじさんだな♪

-ズルズルズルズル!-

-ズズズズッ-

-ズヒョヒョヒョヒョ!-

ツ「…しかし植衛門どのの、新たな街作り、

上手くいきそうですな♪」

-ズズッ-

シ「うむっ♪

この調子なら、新しい土地にも行けようぞ!」

-ずるずる-

「植衛門さんって、このおじさんのこと?」

-ズズズ!-

ツ「そうです♪

この学坊に、

いや、今後の日の本に

なくてはならない人です!」

ずるっ!

植衛門「ははは〜!照れますなーっ!」

シ「良かったら今度、

二人っきりで会ってみるかの!?」

「…えっ?それどういう意味ですか…!?」

植衛門「平たく言えば、

ワシと合コンということじゃなぁ〜〜〜!」

-ずるずるっ-

シ「ヨシッ!

ワシがせってぃんぐしてやろうっ♪」

-ズビズビズビ-

シ「めんつゆも、うまいの〜!」

ご、ごうこんの…

…せってぃんぐ?

…なんだかおもしろそうじゃまい!

-ズッ-


大流しそうめん大会!


-ひゅるひゅるひゅる〜っ-

-ずささっ!!-

「とりゃあっ!!」

「しまった〜〜〜っ!!うぬぬ〜〜っ!!」

な、なんて壮大なスケールの

流しそうめんなんだ!

あ、あんな山のてっぺんから、

わざわざ…!

「おおっ、やっておりますな!」

「むぅ…!

…またワシの書物がびしょ濡れじゃ…!

…それにお気にの枕もの…!」

「今年は水不足が一段と深刻になりましたので、

心配ご無用ですぞ♪

濡らす程の水があり申さん!

はっはっはっ♪」

「…そうかっ!

今年はワシも安眠できるのじゃな!

良かった良かった♪

お気にの枕を高くして眠れるわの♪」

そ、そこ…!?

み、水不足は…?

「今年より、

植衛門どのの新たな試みも

上手くいきましたので

もう水が飛び散ったり、

先生の部屋にそうめんが落ちることは、

ありませんぞ♪」

「さすが植衛門どのじゃな♪

…良かったワシの枕!」

…そうめんまみれの部屋って、

ちょっと見てみたいかも…!?

-ひゅるるるるる-

ありぇ!?

いまそうめんの固まりが、

空を飛んでいたぞ!?

-ひゅうううう〜-

-バシッ!-

「おおっ、御見事♪

そうめんが空を舞っておりますぞ!」

「うむっ♪

汁ひとつ飛び散っておらぬ、見事じゃ!」

「さすがは植衛門どの!」

-タッタッタッ-

-プゥ〜-

「おお〜っ!

殿方!

ご覧になられましたか~っ!?」

「おおっ♪植衛門どの!

実に見事じゃの〜♪」

「ありがとうございます!

皆の力が大きかったようで~!」

-プゥ-

「これなら、うまくいきそうじゃの♪」

「はいっ!」

何の話してるのかな?

そうだ、今のうちにおりぇもそうめんを!

-いそいそ-

-モグモグモグモグモグ!-


仁の人ツネタミ!


-トットットットッ-

「せんせぇ〜っ!

せんせ〜〜〜ぇっ!」

「おおっ、ツネタ!今戻ったぞ♪」

おっ!?

なんか感じのいい人だなぁ!

優しそうだ~♪

「お早いお戻りで!」

「うむっ、少しヤボ用が出来てな♪」

「野暮用ですと!?

…して、こちらのお方は?」

「この者はにょるじっぺい!

セイタロウどのの森で出会うて、

火の山を目指しておるそうじゃから、

ここまで連れてきたのじゃ♪」

「ミチノクからここまで…!

それは大変なお戻りで…!」

「…あっ、あの、初めまして♪

おりぇの名前はにょるじっぺい!

これはカッコントウです♪」

-ぺこり-

「これはこれは!

わたくしはツネタミオ。

ツネタと呼ばれております!

初めまして!」

-ぺこり!-

「あ、いやいやこちらこそ!」

-ぺこり、ぺこり♪-

「そちらの葛根湯は、行商ですか?」

「あっ、いえ!

これはただの、

…新聞紙を丸めただけのものです…!」

なっ、何だかまた説明するのが

ちょっと恥ずかしいなぁ…

「ほぉ!」

「あっあっあっ!あのですね!

本当は‘草一文字’っていう

太刀を持っていたんですけど、

大河を渡る途中に落としちゃって!」

「ほうほう!それでっ!?」

「あの、東の都でこれをもらったから、

取り敢えず腰にさして…」

「…ははぁ〜♪なるほど!」

「…んえっ?」

「なるほどなるほど!

納得いたしました!

『世の憂いを一刀の下に、世直しカッコントウ』

というわけですな♪」

「…え…ええぇ〜!?」

「はっはっはっ!

このように素直な若者じゃ♪

ワシが連れてきた理由もわかろう!」

「なるほどなるほど!納得いたしました!

『鉄は熱い打ちに打て』

ですな♪」

???

…何だか嫌な予感が…!

「はっはっはっ♪

では参ろうかの!」

「参りましょう♪

今日は皆、張り切って

そうめんを打っておりました!」

「…まさかおヌシたち!?

またワシの学坊から、

そうめんを流す気なのかのっ!?」

「ハッハッハッ!

一切、水は無駄にしておりませんぞ♪」

「左様なことを申しておるのではない!

なぜワシの学坊の上から、

毎年っ毎年っ、行うのじゃ!?」

「人の上に立つお方は、

お手本となりませぬと!

ハッハッハッ♪」

「む、む、むっ!

…好きにせいっ!」

…なんだかよくわからないけど、

すごい状況に

出くわしてしまったような気がするぞ…!!

…しかしきっと、

美味し~流しそうめんなんだろうな!

-ぐぅ〜っ-

それにしても、

水不足は…大丈夫なのかなぁ…?


大旱魃(だいかんばつ)


-こ~んん!-

-か~んんん-

「ああっ!?

あんなに木を切っちゃって、

大丈夫なんですか!?」

「…我らも手を焼いておる。

しかしながら、

旱魃がひどいのじゃ!

木を切って他のことに充てねば、

皆が死んでしまうのじゃ…」

「…こんなときに…!

…おりぇの巻物があったらなぁ!

どのくらいの植生(しょくせい)が

変化するのか、

直ぐにわかるのに!」

「おヌシの巻物は、随分いろいろと

書いておるのだのう♪

…やはりメモ魔じゃの♪」

「…んっ?

何か今…言いませんでしたか…先生?

まあ、そうですね…

おりぇがちっちゃい頃から使っているから、

ものすごい量の

書き込みがしてありますよ!

…たぶん、7、8年は使っているのかな!?」

「…7、8年も同じ巻物を使っていて、

ものすごい量が、書き込めると…?」

「そうなんです!

後、筒のところに草や土を入れると、

どこの草や土で、

どのくらいどんなところで

自生しているのかも、

直ぐにわかるんです!」

「…それは本当に巻物かのぅ…???

…どうもワシの思うておる巻物とは、

随分と何かが違うておるようじゃな…」

???

「さっき『いっぱい巻物がある』って、

言ってませんでしたか!?」

「…うむむ…巻物、違いかの?」

?????

「それにしても暑いのう…!!

昨今の旱魃(かんばつ)はすさまじいのぉ…!」

「…そんなにひどいんですか?」

「それはもうすさまじい!!

大地は干上がり、水は残らぬ!

作物も取れず、

人々の心は今にも挫けんばかりよ…!!」

「…」

「おヌシは見たかの…?

空からの眺めに、

無惨な爪跡が無数にあったことを…」

「きっ、気が付きませんでした!

飛んだことが嬉しくて…!!」

「それは良いことじゃ!

ワシも飛んだ甲斐があるというもの♪

それ!

あちらが学坊の入口じゃぞ!」

「うわ〜っ!!人がいっぱいいる!

…おりぇ、あの中に入ったら

人酔いしないかな…?」

「はっはっはっ!

それには酔い止めはなかろうな…!

はっはっはっ!」


三千学坊!


−ジャッ、ジャッ、ジャッ−

随分登るんだな〜!

「ふうっ…!

こりゃ思ったより、ずっと大変だぁ〜!」

「どうじゃ?

この道は嶮しかろう!?」

「うんっ!

想像していたよりもずっと嶮しくて、

足がムズムズしますっ!」

「はっはっはっ!

わざわざ一番嶮しい道を、

選んでおるからの!」

「…ぇえええ〜っ!?

なんでまたわざわざ…!」

「それはの、おヌシは若い!

だから道は嶮しい方が良かろう♪」

???

「…なんでですか?」

「そのうちに、分かる♪

わかるのだ、にょるじっぱい」

「おりぇの名前はにょるじっぱい、

じゃなくて、

にょるじっぺいですよ!」

なんだか、不思議な人だなぁ…!

威厳があるのに、くだけてて…♪

…?

それにしても、よくわからないな…?

道は険しい方がいい?

…ま、いっかっ!

「そのうち分かる!」

って言ってくれたわけだし♪

「それにしても、

見かけより、ずっと急ですね〜っ!

下から見たときは、

もっと緩やかに見えたのにっ…

…よっと!」

「そうじゃ!

この山には幻術がかかっておる♪」

「…幻術!

尻尾といい空を飛んだことといい、

シンヨウ先生、

‘魔法使い’みたいですねっ!?」

「尻尾はほれっ!

このとおり九尾である!」

「ありぇりぇっ、

さっきのは錯覚じゃなかったんだっ!

そうすると、

この山は幻術で、尻尾は現実で、

空を飛んだのは霊力か…!

…ちっ、違いは…何ですかっ???」

「そう大差はないの!

どれも人外(じんがい)の力じゃ!

はっはっはっ!」

「んんん〜っ…

ちっともわからない…!

…にゃんだるふの魔法とは、

また違うのかなぁ?」

「…おヌシ!今なんと申した!?」

「んっ?

あっ、魔法とは違うのかなぁ〜、って…」

「そ、その後じゃ!

‘にゃんだるふ’

と、言わなかったかの?」

「言いました!言いました!

にゃんだるふは

おりぇのお父さんで…!」

「…おヌシ、‘にゃんだるふ’どのの、

お子であったか!」

「えっ!?

にゃんだるふのことを

知っているんですか!?」

「知っているも何も!

にゃんだるふどのはワシの旧友じゃ!」

「えぇ〜っ!

そうだったんですかっ!

それで笑い方が豪快なのか♪」

「…?

どういう意味じゃ、それは???

…と、ともかく、

にゃんだるふどののお子は、

すでに先立たれたと聞いておったが…?」

「にゃんだるふは、

その後でおりぇのこと拾ってくれたんです!

そりぇからおりぇをずっと育ててくれて…

…亡くなったのはたぶん、

にゃんだるふと

奥さんの子どもじゃないかなぁ…

何度か話を聞いたことがあるから…」

「そうであったか!

どうりでまだ小さいわけじゃ♪

おヌシは幾つになるのじゃ?」

「おりぇ!?

おりぇは今年で…

今年で幾つになるんだろう!?

…っていうか、今年、何年!?」

…最後の誕生日祝いをしたのは、

一体、いつだったかな?

あれは確かにゃんだるふが、

患う前だったから…

ひい、ふう、み、よ、いつ、むう…

「…すぃません!おりぇ、

日付、覚えられません…!」

「…はっはっはっ!

それこそ豪快じゃの!

それもまた生き方よの~♪

よいよい!ラフじゃ!ラフにいけばよい!」

-ポリポリ-

なんか恥ずかしい…!

「よしっ!

わしの見立てでは、おヌシは15才じゃ!」

「15才!?

おりぇ、まだ全然そんな年じゃ!

お肌もピチピチだし!」

「まあ、それはよいのじゃ、

にょるじっぺい!

われらの里では15才は立派な大人じゃ♪

おヌシは、わりかし、しっかりとしておる。

それに腰の刀も飾りではなかろう?」

「…こ、これは!た、只の飾りですよっ!?」

「なんとっ!

竹光(たけみつ)であったか…!」

「あ、いえ!ただの新聞紙です…」

「なぬっ?新聞紙となっ!?

ワシの目はフシ穴であったか!」

「はい…!…あ、いえいえ!

‘大都’でもらったんだけど、

なんか悲しいことばっかり書いてあるから、

丸めちゃいました…!

おりぇがにゃんだるふと暮らしていた、

‘あっちの世界’では、

こんな悲しいことはなかったかりぁ…」

−ジュル−

「…よいよい。もうもう、申すな♪

さぞや辛かったであろう…!」

−ズルッ−

−ぐすん−

「ざぞやにゃんだるふ殿は、

おヌシを慈しんで育てたのであろうな!」

−じゅるじゅる−

-ずび〜-

「にゃんだるふ殿は

ワシに申しておったとおり、

安らぎを探しに行かれたのじゃな…!」

−ちぃ〜ん−

「ほれっ!

面を上げるのじゃ!

見えてきたぞ!

我らが三千学坊が♪」

「あっ…!」

う〜わぁ〜〜〜っ♪

すっごいなあ!

屋根があんなに並んでる!

ギャロン渓谷みたいだ!

−じゅり−

「あれは家ばかりでないぞ!

我らが学び舎であり、

この世界の無二の‘学問所’なのじゃ!」

「うわぁ〜っ♪

すごい眺めだな〜っ!」

「ぬっ…!聞いておらんな!?」

あんなてっぺんまで、屋根が見えたぞ!

誰が住んでいるんだろう!?

「ここでは何を学べるんですか!?」

「古今東西のあらゆることじゃ!

しかしその前に、オヌシ!

目の前の人間からも、学ぶことが大事じゃぞ!

まあ、ともかく…三千学坊へ良く来たの♪

皆、歓迎するぞっ!」

「やったぁ〜♪着いたーっ!」

−タッタッタッ−