行きもトコトコ


-トタトタトタトタ-

-とことことことこ-

「アルフレッドさん…

まだクジュウには着かないんですか…?」

「まだですねぇ…かなりまだまだです…」

「そうですか…」

-とことことことこ…-

-トタトタトタトタ-

「少し…休憩しましょうか!」

「やったぁ〜!待ってました!」

-すたた-

-ぺたぺたぺた、とすん-

「いやぁ〜!生き返るなぁ♪

やっぱり休憩がないと長く歩けないもんだなぁ…!」

…そうか…!

それでシンヨウ先生は、

『犬も歩けば棒に当たる』

って言ったんだな…!

長く歩くのには、寄り道や休憩が必要なんだ…

そっか…!

今まで気がつかなかった…!

「いやぁ、休んでこそ歩くのも楽しいものですね♪

こうやって道行く景色を眺めると、

なにやら踊りたくなりますね♪」

「…えっ!?何を…???」

-スタッ!-

「もちろんレゲエを聞きながら、

ゆったりと体を揺らすんですよ♪」

へえっ…!

アヒルどのは踊りが上手いんだな♪

「ラテンなら何でも構いません♪

いや、良い音楽であれば何でも!」

「そういえば、おりぇの黒い箱に、

音楽が入っていたな…!」

-カタカタ カスン!-

-チャッチャララ チャラララララ♪-

「おっ!

スリーリトルバードじゃありませんかっ!

これはなんとっ♪」

「アヒルどのは知っているんですか!?」

「ええっ!もちろんです!
 
ここ!ここのくだりもイイんですよ♪」

「へぇ〜!

おりぇには詳しいことはわからないけど、

楽しそうな音楽は、

気持ちが晴れやかになってイイなぁ〜!」

-チャッチャララチャララ〜♪-

-スタッスタッスタッ!-

おおっ!

アヒルどの、カッコイイ!

…おっ、おりぇも!

-とんつかとんとん♪-

「おっ!イイですねっ♪」

-ととんとんとん♪-

「いやっ、もう、

YOSAKOIみたいになってますけど…!」

-とんつかとんつか!-

-スッスッスッ!-


我、真っ赤!


-ずぞぞぞぞっ-

「うまいですね♪このおソバ!」

「本当ですね!これは絶品!

こちらの葛きりは食べましたか!?」

「おっ!そいつはまだ♪」

-ズゾゾッ-

「その代わり、こっちのそばがゆは食べましたよ♪

良かったらどぉぞ!」

「すみません♪」

-パクッ!-

「ホォ!これはまた♪」

「でしょお~♪」

-ズルッ!-

「ところでアルフレッドさん!」

「ハイっ?」

-もひょ-

「このお店の名前、何ですか?

‘我、真っ赤!’

って不思議な名前ですよね!?」

-もひょもひょ-

「そう言われてみると、奇妙な名前ですね…

店の入り口にある小さな小川に引かれて、

店の名前には注意を払っていませんでした!」

「ああっ!あの水車!

すっごくイイですよねっ♪」

-ズゾゾッ-

「本当に…風情がありますねぇ♪」

「そうですねぇ〜!

いや、アヒルどのはわかる人ですねぇ〜!」

しまった!

またアヒルどのとっ…!!

「いやいや、じっぺいさん♪

なかなか味わえない旅情を、

一緒に楽しめる方だということに、

私も嬉しい限りです!」

「いや、そんな…♪」

アヒルどのって呼んでも、

本当に気にしないなんて、

スゴい人だっ…!アヒルどのはっ!

「はぁいはぃ!

デザートのそばアイスになります♪

こちらにそば茶のお代わりを置いときますね!

…それにしてもお兄さんたち!

若いのにオジサンくさい会話してるわねえ♪」

「ああ、すいません!

って、そんなにオジサンくさいですか…?」

-ぺこり-

「おばちゃんたちだって、

そんなこと、若いときに話さなかったわよ!」

「ハハハッ!

これは店のご婦人に一本取られましたね!」

「いや、まったく!ハッハッハっ♪」

「やあねぇ、アンタたち!オジサンくさいわねぇ♪

アイス、持って帰ろうかしら!?」

-ガタっ!-

-ガタン!ゴトッ!-

「そんな殺生な!」

「ご婦人…それだけは…!」

「まだ子供ねぇ♪アッハッハッハッ♪」

「女将さん、子供をからかっちゃイケねえよ!

どうせ絡むならウチの叔父貴の方に頼むよ!」

「やだよぉ!アンタんとこは!

ずっと酒を飲むばかりじゃないか!」

-キラリ…!-

「あっはっはっ!

…んっ?

今、アヒルどの…目が光りませんでした?」

「いやいや、じっぺいさん…!ご冗談を…」

なんか今、アヒルどの…おかしかったな??

「ところでオバさん!

ここの我真っ赤、素敵なお店ですね♪

あの水車、音が綺麗で!」

「あっはっはっはっ♪」

「ハハハ!我真っ赤か!

そいつはいい!

ハッハハハヒっ!」

…ん?

どうしたんだろう??

「アンちゃん!

ワレモコウって読むんだよ!

吾亦紅(われもこう)!」

「…ああっ!」

「オオッ!」

「アッハッハッハッ!

我真っ赤!

アッハッハッハッ!」

「ヒヒヒハッ!

飲んでもねえのに、

酔ってるのかと思ったよ、兄さん♪」

「お、お恥ずかしい…!」

「あら、やだ!

こっちのお兄さんが真っ赤になっちゃったよ!

アッハッハッハッ!」

「ハハハッ!」

「あ、いや、参ったな…」

-ずぞぞ…-


アヒルどの♪


-ダダダダダッ-

-タッタッタッ-

-トットットッ-

-トコトコトコ-

-トタトタ-

-トタン-

-ペタッ-

「ハァ〜、ハァ〜、ふああぁ〜」

ア「はっ、はっ、はっ」

「心臓が爆発しそう…」

「…私も…です…速いですね…!」

「いや…アヒルどのこそ…!」

しまった…!

ついアヒルどのと…!

「いえいえ、ジッペイさん!

…あなたは山の上から、ずっと走ってきたのでしょう?

並外れた心肺機能ですね♪」

「ありぇ?

自己紹介をしましたか、おりぇ?」

ア「あれ?

したようなものではありませんか!?」

「…確かに!」

「このままクジュウまで参りましょう。

その途中で、おソバでも食べましょう♪」

「やったーっ!」

-グゥ-

「胃も立派ですね♪」

「おっ、お恥ずかしい限りです…!」

「ハハッ!大盛りでいきましょう♪」

「…やったーーーっ!!」

-ぐぐぅ-


アルフレッドさん!


-タッタッタッ-

あれっ!?

誰だろう、あのアヒルさんは?

「あっ!ここです!ここですよ!」

「どっ、どこですか!?」

「ハハッ♪

噂どおりの方のようですね!」

んっ?

なんの噂?

-タッタッタッ-

-シュタタッ-

「山の麓まで一緒に走りましょう!

私の名前はアルフレッド!

ここにいる人たちは皆、

アヒルどのと呼んでくれます♪」

「あっ、アヒルどの~!?

…いいんですか、それで!?」

「構いませんよ!

この身空で殿扱いですから、

なんら文句はありません!」

そっ、そういう問題なのかな…?

「よしっ、じゃあアルフレッドさん!

このまま麓まで競争しましょう♪」

「望むところです!」

-ダダダダダッ!-

-ヒューン!-


オジサン再び!


-タッタッタッ-

「おおーっ!!

じっぺい!直ったぞーーーっ!!」

あっ、オジサンだ!

「お〜いっ!

おりぇ行くよ〜っ!

出発しま〜す!」

「おおーっ!そうか〜!

じゃあコレを持っていくといいぞーーーっ!」

-ポーン!ストン!パフッ♪-

「あっ!?軽い!

おりぇの黒い箱が一段と軽くなってる!」

「ガハハハ!

そうじゃ〜あ!

ずいぶん軽いじゃろ〜!?」

「ハイッ!

すっごく持ち歩き易いです!

おりぇの巻物みたいだ〜!」

-タッタッタッ-

「ハハハ〜ッ!

止まりもせんかーーーっ!

ガハッ!ガハッ!ガハハ〜ッ!」

-プゥ-

「くさっ!

…ハイ!おりぇはもう止まりませ~ん!」


-タタタタタッ-


「ガハハーッ!

あいつを見ていると気持ちがいいの〜〜〜!

故郷の海を思い出すわっ!」

-プププゥ〜♪-