無敵の撃剣!


-ブン!ブン!ブン!-

「でぇいっ!でぇいっ!でぇいっ!」

-ヒュンヒュンヒュンヒュン!-

ア「ハッ!ハッ!ハッ!」

「二人ともども、そこで休憩…」

「やった…!…やっと休みだ…!」

-ペタッ…!-

ア「…ふぅ…さすがにしんどい!」

「はぁ…はぁ…はぁ…

いつまで続くんですか…この練習…!」

「いつまでなんでしょう…!?

私にもさっぱりわかりません…!

厳しいとは聞いてはいたのですけど…

…正直、ここまでしんどいとは…!!」

「…そ、そうなんですか…!」

「では練習を再開する」

うへぇ…

もう休憩は終わりかぁ…!

…めちゃくちゃキツイなぁ…!

「なんと短い休息!

…じっぺいさん、

ティータイムがあったらいいですね♪」

「ほんとですねぇ〜!

お茶とお菓子でホッと一息…

…あぁ…飲みたいなぁ!

美味しい焦げ茶が…!!!!」

-ヒュンヒュンヒュン!-

-ブンブンブンブンブン!-

「その調子で、手早く振り下ろすこと」

「おおおぉりゃ!」

-ブンブンブンブンブンッ!-

「二の太刀は無い。

力一杯打ち込めば、一刀目。

そこで悔いある、二の太刀ならんぞ」

「おおおおおおりゃっ!」

-ブンブンブンブンブンブンブンッ!-

「おおっ!やりますね、じっぺいさん!」

-ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュッ!-

ヤ「その調子、その調子」

-ブンブンブンブンブンッ!-

-バキッ!-

-グシャリッ!-

-メキャメキャメキャ…!-

「折れたわけだ。上出来、上出来」

「おお〜〜〜っ!

じっぺいさん!やりましたねっ!」

何がやったんだろう…?

…焦げ茶のことを考えていたら、

さっきまで打ち込んでいた木が折れてるぞ?

…!

おりぇが折ったのか!

「…おわっ!!」

「すごいです!じっぺいさん!

ついにやりましたね!」

「…や…やっちゃったみたいですね…!?」

「やりましたよ!やりましたね!」

「…や、やっちゃいました!

…やった!

やた〜!出来た〜〜〜!!」

「野太刀、打ち下ろし、2合は無し。

叩っ斬る気迫で、まずは断つ。

今夜は祝杯!」

「ほんとっ!?」

「ハハハッ!やりましたね、じっぺいさん!

今夜はドンチャン騒ぎですよ!」

「やった!思いっきり遊べるぞ〜〜〜!」

「ハハハッ!楽しみですねぇ〜♪」

「楽しみですねぇ〜〜〜♪

やった〜〜〜!」

-ポイッ-

-ガランガランガラン…-

…あっ…!

勢いで野太刀を投げ捨てちゃった…

…先生の目が笑ってないぞ…!

「大丈夫ですよ!じっぺいさん!

人生は山あり谷ありですよ!」

ナイスフォロー!

アルフレッドさん!

「いやぁ…」

「…今のうちに、早く休憩室に行きましょう…!!」

「…そうですね!」

-スタコラサッサッ-

-ヒューッ!-

「仲良しに免じて、見逃すとしよう。

既にいない、若者二人」

-ひょい-

-パシ-

「仲良き事は、美しい。

今夜は祝杯、ノンアルコール

-スタスタスタ-



ヤクマル如水!


-トタトタトタ-

ふぇ〜っ!

景色の綺麗なところだなぁ〜♪

「もうここはクジュウですよ、じっぺいさん!」

「おっ!やった〜〜〜っ!

ようやく辿り着いた〜〜〜♪」

-スッ-

「そうじゃ、ここが地獄の入り口」

「…だっ!誰だっ!?」

-スススッ-

「わしであるか。わしはヤクマル如水」

「先生、お久しぶりです」

-すっ-

「…えっ?

アルフレッドさん、知ってる人なの??」

「ハハハッ!知っているも何も!

ヤクマル先生に会うために、

ここに来たんじゃないですか!」

へっ…?

何も聞いてないぞ??

「…そっ、そうだったんですか??」

「そうじゃ。

ここでお主たちは地獄の苦しみを味わう。

即ち苦渋」

「…クジュウで、苦渋…

ええぇ〜〜〜!!

まさかたったそれだけのためにここまで!?」

「ハッハハハハッ!

そんなことはありませんよ!

偶然に違いありません♪」

「うそだぁーっ!

絶対にアヒルどのは知っていたんでしょ〜!?」

「それはそうですけども…」

「では行くぞ」

「えええぇ〜!?」

-ワシッ-

-グイッ-

「ええぇ〜っ!?」

-ズルズルズルズル-


行きもトコトコ


-トタトタトタトタ-

-とことことことこ-

「アルフレッドさん…

まだクジュウには着かないんですか…?」

「まだですねぇ…かなりまだまだです…」

「そうですか…」

-とことことことこ…-

-トタトタトタトタ-

「少し…休憩しましょうか!」

「やったぁ〜!待ってました!」

-すたた-

-ぺたぺたぺた、とすん-

「いやぁ〜!生き返るなぁ♪

やっぱり休憩がないと長く歩けないもんだなぁ…!」

…そうか…!

それでシンヨウ先生は、

『犬も歩けば棒に当たる』

って言ったんだな…!

長く歩くのには、寄り道や休憩が必要なんだ…

そっか…!

今まで気がつかなかった…!

「いやぁ、休んでこそ歩くのも楽しいものですね♪

こうやって道行く景色を眺めると、

なにやら踊りたくなりますね♪」

「…えっ!?何を…???」

-スタッ!-

「もちろんレゲエを聞きながら、

ゆったりと体を揺らすんですよ♪」

へえっ…!

アヒルどのは踊りが上手いんだな♪

「ラテンなら何でも構いません♪

いや、良い音楽であれば何でも!」

「そういえば、おりぇの黒い箱に、

音楽が入っていたな…!」

-カタカタ カスン!-

-チャッチャララ チャラララララ♪-

「おっ!

スリーリトルバードじゃありませんかっ!

これはなんとっ♪」

「アヒルどのは知っているんですか!?」

「ええっ!もちろんです!
 
ここ!ここのくだりもイイんですよ♪」

「へぇ〜!

おりぇには詳しいことはわからないけど、

楽しそうな音楽は、

気持ちが晴れやかになってイイなぁ〜!」

-チャッチャララチャララ〜♪-

-スタッスタッスタッ!-

おおっ!

アヒルどの、カッコイイ!

…おっ、おりぇも!

-とんつかとんとん♪-

「おっ!イイですねっ♪」

-ととんとんとん♪-

「いやっ、もう、

YOSAKOIみたいになってますけど…!」

-とんつかとんつか!-

-スッスッスッ!-


我、真っ赤!


-ずぞぞぞぞっ-

「うまいですね♪このおソバ!」

「本当ですね!これは絶品!

こちらの葛きりは食べましたか!?」

「おっ!そいつはまだ♪」

-ズゾゾッ-

「その代わり、こっちのそばがゆは食べましたよ♪

良かったらどぉぞ!」

「すみません♪」

-パクッ!-

「ホォ!これはまた♪」

「でしょお~♪」

-ズルッ!-

「ところでアルフレッドさん!」

「ハイっ?」

-もひょ-

「このお店の名前、何ですか?

‘我、真っ赤!’

って不思議な名前ですよね!?」

-もひょもひょ-

「そう言われてみると、奇妙な名前ですね…

店の入り口にある小さな小川に引かれて、

店の名前には注意を払っていませんでした!」

「ああっ!あの水車!

すっごくイイですよねっ♪」

-ズゾゾッ-

「本当に…風情がありますねぇ♪」

「そうですねぇ〜!

いや、アヒルどのはわかる人ですねぇ〜!」

しまった!

またアヒルどのとっ…!!

「いやいや、じっぺいさん♪

なかなか味わえない旅情を、

一緒に楽しめる方だということに、

私も嬉しい限りです!」

「いや、そんな…♪」

アヒルどのって呼んでも、

本当に気にしないなんて、

スゴい人だっ…!アヒルどのはっ!

「はぁいはぃ!

デザートのそばアイスになります♪

こちらにそば茶のお代わりを置いときますね!

…それにしてもお兄さんたち!

若いのにオジサンくさい会話してるわねえ♪」

「ああ、すいません!

って、そんなにオジサンくさいですか…?」

-ぺこり-

「おばちゃんたちだって、

そんなこと、若いときに話さなかったわよ!」

「ハハハッ!

これは店のご婦人に一本取られましたね!」

「いや、まったく!ハッハッハっ♪」

「やあねぇ、アンタたち!オジサンくさいわねぇ♪

アイス、持って帰ろうかしら!?」

-ガタっ!-

-ガタン!ゴトッ!-

「そんな殺生な!」

「ご婦人…それだけは…!」

「まだ子供ねぇ♪アッハッハッハッ♪」

「女将さん、子供をからかっちゃイケねえよ!

どうせ絡むならウチの叔父貴の方に頼むよ!」

「やだよぉ!アンタんとこは!

ずっと酒を飲むばかりじゃないか!」

-キラリ…!-

「あっはっはっ!

…んっ?

今、アヒルどの…目が光りませんでした?」

「いやいや、じっぺいさん…!ご冗談を…」

なんか今、アヒルどの…おかしかったな??

「ところでオバさん!

ここの我真っ赤、素敵なお店ですね♪

あの水車、音が綺麗で!」

「あっはっはっはっ♪」

「ハハハ!我真っ赤か!

そいつはいい!

ハッハハハヒっ!」

…ん?

どうしたんだろう??

「アンちゃん!

ワレモコウって読むんだよ!

吾亦紅(われもこう)!」

「…ああっ!」

「オオッ!」

「アッハッハッハッ!

我真っ赤!

アッハッハッハッ!」

「ヒヒヒハッ!

飲んでもねえのに、

酔ってるのかと思ったよ、兄さん♪」

「お、お恥ずかしい…!」

「あら、やだ!

こっちのお兄さんが真っ赤になっちゃったよ!

アッハッハッハッ!」

「ハハハッ!」

「あ、いや、参ったな…」

-ずぞぞ…-


アヒルどの♪


-ダダダダダッ-

-タッタッタッ-

-トットットッ-

-トコトコトコ-

-トタトタ-

-トタン-

-ペタッ-

「ハァ〜、ハァ〜、ふああぁ〜」

ア「はっ、はっ、はっ」

「心臓が爆発しそう…」

「…私も…です…速いですね…!」

「いや…アヒルどのこそ…!」

しまった…!

ついアヒルどのと…!

「いえいえ、ジッペイさん!

…あなたは山の上から、ずっと走ってきたのでしょう?

並外れた心肺機能ですね♪」

「ありぇ?

自己紹介をしましたか、おりぇ?」

ア「あれ?

したようなものではありませんか!?」

「…確かに!」

「このままクジュウまで参りましょう。

その途中で、おソバでも食べましょう♪」

「やったーっ!」

-グゥ-

「胃も立派ですね♪」

「おっ、お恥ずかしい限りです…!」

「ハハッ!大盛りでいきましょう♪」

「…やったーーーっ!!」

-ぐぐぅ-