−ちりりりりりりり♪−
んっ?黒い箱が鳴ってるぞ?
んんん・・・?
「ありぇりぇっ!?
さっきの‘風土の音色’が聴こえてくるぞ!?」
「ほうっ!おヌシ、
珍しいものを持っておるな!」
「こりぇのこと知ってるんですか!?
何ですか、こりぇ?」
「それは箱じゃ!」
「そ、それはそうですけど…
もう少し詳しく話してまらえませんか?
おりぇ、’こっち’に来たばかりで…!」
「そうじゃのぅ…!
オヌシはまだまだ、ニュ~カマ~♪
説明がたっくさん必要じゃのう、
にょるじっぺい、じっぺいよ!
それは波や揺らぎを捕まえられる箱…!
と聞いたらどうする、どうする?」
「こ、こりぇ…
そんなにすごい物だったんですかっ!?
そうと知らずに、
食べ物も突っ込んじゃった…!
…って、なんで2度も名前を…?」
「はっはっはっ!
気にするな、気にするな!
そして案ずるな!
その程度で壊れはせぬ、うむ♪」
−ほっ−
…良かった♪
…なんか、すごいものを拾っちゃったな!
「嬉しいなぁ~っ♪」
「その箱はの、
この大地の至る所に眠る
‘風土の音色' や ‘大地の記憶’
を記録するための箱なのじゃ!
うまく使えば、
己の人生すら変えられようぞ♪」
「へぇーっ!
そんなにすごいものなんですか!
早速使ってみよ~♪」
−ゴシゴシ−
−カパッ−
フンフフンフ~ン♪
「…どうやって使うんですか、これ?」
「はっはっはっ!なに、
『採ってくれ』というだけじゃ!」
「へえぇ!
…じゃ、じゃあ!取手くれっ♪」
−がんっ!−
−ごごん!−
−ジリッ−
…んっ?
今ので採れたのかな?
−ごそごそ−
「あっ!
木のざわめきが採れてるぞ!
これ、すっごいなぁ~!
巻物みたいだ!」
「…巻物…巻物とな?
なんの巻物じゃ?
エッチな巻物ではないのかの…?
いかんぞ、にょるじっぱい、じっぱい!
オヌシには、まだ早すぎる!」
「お、‘おりぇ(じっぺい)の巻物’っていうのは…!
…おりぇが
‘あっち’から‘こっち’にくる途中で、
落としちゃったもののことですよ!」
「ふむ…!
さぞや大切なことが、
たくさん記してあったのじゃろうな。
なんとなくオヌシはメモ魔のニオイがする…!
…どうじゃ?
代わりと言ってはなんじゃが、
ワシの巻物を見せてやろうかの♪」
「いいんですか!?
そりぇは助かります!
巻物があれば、
今まで調べたことも全部わかるし♪
…なんで、おりぇがメモ魔だって…!?」
「ふはは!
なんかそんな顔をしておる!
早速ついて来るが良いぞ♪
向上心旺盛な若者は、大歓迎じゃ!」
「はいっ!ついてきま〜すっ♪」
-とっとっとっ♪-
「よいか、にょるじっぱい、じっぱい♪
あまり見知らぬ人についていくのでは、ないぞ…?
大変なことになるかもしれない、からの!」
「は~い♪」
-とっとっとっ!-