ゴンタの住まう黒い箱


-キュイキュイ♪-

「ネエ、ゴンタ…そこから出てこない?」

-フルフルフルフル!-

「首を横に振っていますね」

「だね…弱ったな…せっかくおじさんに直してもらったのに…」

-ゴンゴン!-

「チャッチャッと!
追い出したらどうだ〜!?」

-ゴゴン!-

「ちょっとイサオは無茶しないでよ!
…イサオが壊しちゃうじゃないの!」


あ〜ぁ…
なんだかすごい旅になってきたな…!
おりぇ、アヒルどの、ゴンタ、イサオ、そしてマサル…

…順番的には、おりぇ、アヒルどの、イサオ、マサル、そしてゴンタ…
いや…厄介順に並べ直すと、
アヒルどの、おりぇ、ゴンタ、マサル、そしてイサオか…

いや、でもマサルとイサオは同じくらいだから、
おりぇ、アヒルどの、ゴンタ、そしてイサオとマサルかな…

うん、これがしっくりくるぞ!
おりぇ、アヒルどの、ゴンタ、イサオとマサル。
うん!これだ!


「ぬぁ〜にがこれだ〜!だ〜!このトンマ〜!」

「オイ、オレとこのチビを一括りにすんな!」

「そうですよ!まるでどこかのコンビ芸人みたいじゃあないですか…
…プッ!」

「ありぇ?聞いてたの…?」

「聞いてるも何も、思ったことがダダモレじゃあねえか〜!?」

「えっ!?うそぉ!?」

「ハハハ!ダダモレですよ!」

「やいダダモレ!さっきのマサルとイサオを取り消せ!」

「さりげなく順序が逆になってますよ?」

「クッ…!」

「オマエラ〜!」

-キュイキュイ!-

-ギャースカ、プースカ-


-ゼイゼイゼイ…-

「い…いい加減にしろよな…!
誰がお猿なマサルだ…!」

「オマエ以外の誰が猿顔だと思ってんだ〜!」


イサオって、メチャクチャタフだな…
なんであんなにプルプル震えてるのに、
逞しいんだろう…?


「それは彼が勇敢な仔鹿だからですよ♪」


へぇ〜!
勇敢な…んっ?


「ありぇ、やだなぁ…
おりぇまた喋ってた…?」

「ハイ、バッチリ!」

「そっか〜!はっはっはっ!」


ありゃりゃ、ゴンタが黒い箱の中で眠っちゃった!

-スス〜、ププ〜-


-ギャアギャア!-


「ありぇ?アヒルどの、あの二人は?」

「あそこですよ」

「…随分、遠くだね…
…置いてっても大丈夫かな?」

「ハハハ!旅は道連れ、世は情けですよ!」

「確かに…」


-ゴチン!ドカッ!-